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発言メモ(北海道大学 高井潔司)
インターネットの大きなインパクト
これまで中国の先生方の報告のように、中国のインターネットは、量的に拡大しただけでなく、社会で大きな役割をにないつつあります。情報発信や言論という面では、日本以上だと言えるでしょう。
本日の報告をお聞きになってわかるように、本日は、政府系の方も民間の方もお呼びし、いろんな立場からインターネットについて語って頂きました。このように様々な方が一堂に会するのは中国では珍しいし、日本にお呼びするのも、本当に全員そろってくれるかどうか、ハラハラドキドキでした。
しかし、その多様な方々ですが、実はインターネットの中国における役割について、肯定的、積極的であることは興味深いと思います。私自身は、むしろこの点について、慎重な評価です。
その理由や今後の展開について考える時、私は3つのポイントを挙げたいと思います。第1点は伝統メディア不在の中でインターネット民意の高まりが進行しているということ、第2はインターネットの情報空間も決して自由ではないということ、第3点は、当局はその主導権を握るため管理を強化しているということです。
まず、第1点は、西茹先生のコメントにありますように、インターネットメディアの発展特に大衆の声を反映する「インターネット民意」という現象は、いわば伝統メディアの不在の中で、急速に発展しているわけです。世界的にはインターネットの発展が伝統メディアの存在を脅かしているわけですが、中国ではむしろ当局の統制によって、伝統メディアが不振に陥っているのであって、インターネット民意は伝統メディアを代替しているわけです。高級幹部の腐敗や警察の人権軽視の事件処理などについて、日本やアメリカなら新聞やテレビなどがそれを暴き、大衆の支持を得てきたわけですが、そうした伝統メディアが、当局の統制の下で、市場経済の発展に対応した、大衆の声を十分に反映するメディアになっておらず、比較的管理の難しいインターネットメディアを通して大衆が様々な形で発信し、第2部で報告されたような特異なメディア空間が生まれているということです。
第2点目は、1点目と関連しますが、伝統メディアが管理されているわけですから、中国の情報環境というのはかなり制限されている。インターネットメディアも、当然限られた情報空間の中で大衆の声を挙げているのであって、決して自由な空間ではない。中国では記者が取材するにあたって当局の発行する記者証が必要ですが、インターネットメディアには記者証が与えられていません。したがって、中国でもネット上の情報の大半が伝統メディアからの転載であり、ただ管理が難しい面、内部告発情報や目撃情報がストレートな形で掲載されるので、大きな反響を生む報道になります。しかし、それは偶発的だし、ゲリラ的ともいえます。恒常的な、システムとなっているわけではない。最近、グーグルの中国撤退問題が話題になっていますが、この事件を見ても、中国におけるインターネットは必ずしも自由で、開かれた空間ではない。でたらめな情報で人権を侵害する事件、偏った情報で煽られ、暴動などにつながる事件、逆に政府側が情報を操作するために逆情報を流すケースもあります。
私は、これはかなり危うい空間だと批判的に見ておりますが、私が批判的に見ようが見まいがどんどん広がりを見せていますし、政府を監督し、中国の政治文化にも大きな影響を与えています。中国の研究者の人もかなり楽観的に評価していますね。したがって、危ういから辞めるべき、などと言うことはできませんし、言うつもりもありません。必要なことは、インターネット民意の広がりから、さらに開かれた情報空間をどう作っていくかということだと思いますし、それには伝統メディアを含めて、自由な情報空間がどう形成されるのかが注目されます。そこでは当局とインターネット民意との間のゲームと言いますか、せめぎあいが展開されているということです。
3点目は、それに関して、胡錦濤総書記をはじめ党と政府の指導部は、党と政府が世論形成の主導権を握らねばいけないという指示を出し、それを受けて法令や通報制度、さらには有害情報を自動的にはじくソフトを開発したりと、様々な形でインターネットの管理の網をはりめぐらそうとしている。しかし、それはそう簡単に管理できませんし、管理しすぎると、伝統メディアが活力を無くしてしまったように、インターネットの活力をも殺いでしまいます。そういう、ジレンマが当局にはあるということではないでしょう。インターネット民意の高まりと政府の管理強化というせめぎあいが今後も続くことでしょう。私たちはその成り行き、展開をどう分析し、対応してくか、が問われているわけです。
二度目の発言
高まる大国化の自信
インターネット民意の対外的側面について、従来は政府や政府の管理の下にあるマスメディアが国際社会と向き合ってきたわけですが、インターネット民意という現象が現れて、インターネットを通して中国の大衆が声を挙げ、国際社会と直接、向き合うようになった。声を挙げるだけでなく、それを組織化してデモなどの行動が起きていることです。2005年の反日デモや昨年、北京五輪の聖火リレーの妨害事件などをめぐって発生した反フランスデモがその例です。
いま中国は目覚ましい経済発展によって大国化が進行していますが、政府はもちろん大衆レベルでも国際社会における中国に対する正当な評価を求める声が高まっています。愛国主義でもあり、また大国としての自信の表れと言えるでしょう。
ところが、国際社会において、中国に対する評価は決して高くありません。「中国バブル」、「中国脅威論」、「中国崩壊論」などが目立ち、中国世論と国際世論の間のコミュニケーションギャップは甚だしいものがあります。この解消がいま大きな課題になっています。
インターネットも管理されている――議論の前提
この課題を検討する上で、前提になるのは、やはりインターネットメディアも管理されているということ、とくに対外関係においては、管理は国内以上に徹底されています。私のホームページでさえ、中国国内からアクセスできないんです。それは私が反中的な言論を振り撒いているからではなく、私のHP上の文章に、天安門事件など中国当局がタブーにしているキーワードが含まれていて、機械的にはねられているというわけです。
その前提に立って、尹先生の報告を読みますと、示唆に富んでいます。日中関係に触れた部分です。反日デモの後、どのようにネット上の反日言論の高まりが解消されたかという部分です。
1.两国关系改善的影响;2.反日游行后,中国政府对网络媒体的引导和管理;3.日本政府、日本企业积极开展在华公关与传播;4.中日民间机构,个人在互联网上开展的多样化传播。
日中関係が改善し、中国政府がインターネットメディアの管理を行い、日本政府や日本の企業が広報を積極的に行い、日中の民間組織もネット上で多様な情報の発信を行ったからだと書いてあります。
つまり、政府との関係がまずしっかりしていれば、中国政府はそれなりのネット管理を実施するということですね。もし関係が悪ければ、ネット上の反日言論を放置し、あるいはそれを利用して外交的な圧力の一助にすることもあるということです。まあいま、胡錦濤政権は対日重視の立場ですから、そういうことはありませんが、外交関係がまずしっかりしているということは、大きなポイントです。それから、ネット上の日本に関する情報は少ないし、偏っているわけですので、政府も企業もあるいは民間の組織も、対中発信に努めることが大切だということです。インターネットの民意の表面に出てきた彼らの主張に一喜一憂するのではなく、その主張の根拠になっている情報がどのようなものか。それを変えていかない限り、安定した関係が維持できません。その情報が誤っていたり、一面的な情報であれば、われわれがもっと情報を発信して、多様な情報の中で、日本や日本企業について、理解してもらわねばならないと思います。